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10月の運動療育では、運動を通じて児童に自信を持ってもらうことができました。
また、そこから他の児童との関係性が変化したことも確認できて、機能的な面だけでなく、児童の精神や関係性に対しても注意が必要だということに改めて気づかされました。
小学生の時の体育って、だいたい足が速い子がすごい、みたいな空気がありましたよね。
実際、学校でやる運動は大半が敏捷性や平衡感覚、協調運動の巧緻性が問われるようなものが多く、筋力や体重が大事になるような種目はほとんどありません。
児童の運動発達の段階を踏まえて、必然的にそのようになっているのですが、体が重い子が活躍できる場面はやはり少ない。あまり活躍できなければ、体育という教科自体を苦手に感じてしまいがちです。
はぴねすくらぶ川越の運動療育では、運動の前提となる身体を支える力を底上げや、個々の苦手などに対応していく形で行っています。
特に支える力をつけるための体幹トレーニングは筋トレ的な側面が強く、重たいものを持ち上げたり、押したり引いたりといった筋力、体重がものをいう課題運動を行うこともしばしばです。
たまたまその時行った重量物運びの課題運動で、これまであまり運動に積極的でなかった児童たちが輝きました。
この時の課題は、柔らかい素材でできた跳び箱をマットの端から端まで運んでもらうというもの。
重たいものに対して踏ん張ることで、体幹に刺激を入れることが目的です。
持ち上げるのが難しい児童には、押したり引いたりして転がしてもらっていました。
実際ほとんどの児童にとって持ち上げることは難しく、押して転がす形を選択する児童が大半でした。
しかし一人の体重のある児童が、持ち上げることにチャレンジ。
持ち上げるだけでなく、なんとマットの端まで運んでしまいました。
それを見たもうひとりの体格のいい児童が、持ち上げての移動に挑戦。
ずりずりと少しずつでしたが、時間をかけて最後まで持ち上げて運んでくれました。
これを見た他の男子児童に、「あいつらはすごい」という感覚が芽生えてくれたようで、男子児童同士の関係性も少し変化が見られました。
特に男子の児童の間では、お互いにちょっかいを出しあったり、遊び相手を選ぶ関わりの中に、「力関係」みたいなものがあります。
はぴねすくらぶ川越の男子児童同士の「力関係」。そこでこれまで存在感の薄かった体格のいい子たちが、他の児童から注目されることが明らかに増え、また本人たちも「僕は強いんだ」という確信がもてたことで、積極的に関わりをもつようになりました。
こういうのも、運動療育の重要な効果ですね。
これを機に、筋力・体重が重要な課題運動を定期的に入れています。
棒押しゲーム。
平均台を挟んで押し合います。
上級生組相手には全力で押しても負けてしまいました。
今月は子どもたちのおかげで、よい気づきを得ることが出来ました。
子どもたちに自信をもってもらえるよう、今後も頑張っていきたいと思います。
11月のはぴねすくらぶ川越①に続きます。
※写真は保護者の方の了承のもと使用させていただいております。