北坂戸・川越・北坂戸NEXT
続いて、運動療育の様子をお伝えしていきます。
まずはいつも通り、しっかり準備体操をしていきます。
今日はボールのスロー&キャッチ。ボールを投げたり、飛んでくるボールをキャッチするのは、とても複雑な運動です。
軽くランニングもしていきます。ボールをキャッチする態勢を作るのに、下半身の力は重要です。
ボールのキャッチするには、まず第一にボールを目で捕捉できなければいけません。
正確な捕捉には、視点の安定性・運動性が必要です。首、体幹の安定や、なめらかな眼球の運動が大事になってきます。
次の段階は、捕捉した目標をキャッチする時の自分の身体の動きのイメージを作ること。
ボールが飛んできて、それが見えていても、キャッチするイメージを瞬時に構築できなければ身体を動かすことが出来ません。
見たこともやったこともない運動は、そもそもできませんよね。他人がやっているのを見ただけで出来るか、自分でも何度もやってみて出来るようになるか、このあたりは運動のイメージをどれくらい上手に作れるかが関わってきます。
更に次の段階で、ようやく実際に動くことになります。
イメージの通りに身体を動かすには、やはりまず身体の安定性が大事です。下肢と体幹ですね。キャッチする身体のイメージを作った場所に、実際の身体を運びます。
そして手と目の協働。目で捉えている対象に向かって手を伸ばす。しかも動いている対象です。ただ出したりひっこめたりではなく、力と動かす位置をその都度調節する必要があります。
児童がボールがキャッチできなかったとき、その子がどこの段階でつまづいたのかを考えてみることで、運動の指導の仕方も変わってきます。
眼球の動きに左右差があったり、キャッチボールの経験が少なくてイメージがつかめていなかったり、手と一緒に足を動かせなくてボールに追いつけなかったり、力と動きの調節が苦手でイメージ通りに動けていなかったり。
理由は児童によって様々で、複合要因であることも多いです。また少しくらい苦手なところがあっても、他の機能で代償してやり遂げてしまうこともよくあります。
それらを可能な限り読みとって、助言や動きの指導をしていきます。
「複雑な動きのイメージを作るのが苦手」な場合は反復練習で改善が見込めますが、「実際に身体を動かす時に筋力・可動域・協調性などの問題が出ている」な場合は、ただ反復練習をしただけでは苦手の克服にはつながりづらい。
どの子がどんな理由でその運動を苦手としているのかを、しっかり見ていく必要があります。
キャッチボールができるようになってきたら、今度はちょっと複雑な役割分担を含んだ課題運動をやってみます。
スタート時、プレイヤーは輪っかの中で待機している児童に向かってボールを投げます。
ボールをキャッチした児童はボールを投げ返し、スタート地点に移動して順番を待ちます。
ボールを返してもらったプレイヤーはそのまま歩いて行って
前にある箱にボールを投げ入れます。これで一回。
ボールはスタート地点に戻され、プレイヤー交代です。
ボールのスロー、キャッチという運動に加えて、順番通りに役割と位置を変えるというルールの把握が必要になってきます。
しかも最後に的に向かって投げる運動は、キャッチする相手が動いてくれる今までと違って、ボールを目標に確実に投げないといけません。
しっかり狙ってー
入った!
課題の達成は、運動への苦手意識に大きく関わってきます。
課題の達成を積み重ねていくことで、苦手を少しでも克服し、運動を楽しむ習慣を作っていければと思います。
8月のはぴねすくらぶ川越①に続きます。
いよいよ夏休みです。
※写真は保護者の方の了承のもと使用させていただいております。